導入事例
AI活用した最新セキュリティの導入は
患者さんの健康情報を守る大切な「備え」
基本情報
①会社名:医療法人社団 以仁会 稲毛サティクリニック様
②インタビュー対応者:理事長 院長 河内文雄様
③導入サービス:株式会社 レイ・イージス・ジャパン Ray-SOC 、SentinelOne(EDR)
医療分野のICT化と
顕在化したサイバー攻撃のリスク
ーー貴法人のデジタルサービスとセキュリティ対策における課題意識について、お聞かせいただけますか?
河内
私たちは患者様の貴重な医療情報や個人情報を日々扱っていますが、電子カルテが2000年代以降に普及したことで、常にサイバーセキュリティは意識してきました。
最近になり、日本国内でもランサムウェアによる甚大な身代金被害に遭った医療機関が出てきて、それがクリニックのレベルまで標的になっており、危機感を持っていました。
ーー医療分野でもICT化が進んだ結果として、リスク対策も当然求められるようになってきたわけですね。
河内
医療機関から診療報酬を各保険者にオンラインで請求するシステムも発展し、今では欠かせないものになっています。また、地域医療と介護の連携、地域包括ケアといったことが重要視される流れの中で、医療やケア事業者間での情報共有の仕組みも発達してきましたから、その流れの両輪として、セキュリティ対策についてはなくてはならないものと意識してきました。
AI活用したセキュリティでスピーディに
「何か」が起きるのを未然に防げる魅力
ーーそういった流れの中で、この度、レイ・イージス・ジャパンの SentinelOne(EDR)及びRay-SOCの検討〜導入をされた背景について教えてください。
河内
申し上げたような機密性の高い情報は、もちろん一般的なインターネットからは遮断された状態で使っています。それでもリスクはゼロではなく、他の医療機関で公表されたような被害が出ているわけです。
当法人のICT担当とも検討し、手始めに、もっとも外部ネットワークとのやり取りの多い端末から、取り組んでいくことにしました。たまたま知人を通してレイ・イージスさんを知ったのですが、非常にコミュニケーションがとりやすく、親身になってくださったことも、導入のきっかけとなりましたね。
ーー機能的には、どのようなことに着目して選定されましたか?
河内
従来のアンチウイルスソフトのようなものではとても太刀打ちできないサイバー攻撃の手口が蔓延しているとわかっていましたから、万一攻撃を受けて、データが破壊されたり暗号化されたりするようなことがあったとしても、復旧までが自動でできる点ですね。
しかも数あるEDRの中でも、SentinelOneは感知したら瞬時にAIが自動で感染除去し、復旧(ロールバック)までしてくれるというスピード感にも着目しました。
ーー導入に関して、ご担当の部署への負担感などはいかがでしたか?
河内
まったくなかったと聞いています。セットアップについても、技術担当の方が非常にわかりやすい資料をご用意くださって、簡単な手続きで完了しました。特に予想外に大変だったこともありません。
コスト面でも、1台あたりでの定額でしたので検討しやすかったと思います。
ーー現在のところ、使い勝手や導入効果についてはいかがですか?
河内
導入してしまえばあとはしっかりRay-SOCが監視してくれて、サイバーセキュリティ指標にもとづいた、視覚的にもわかりやすいレポートが上がってくる点は、安心感があります。まだインシデント的なことはないですが、とにかくこうしたことは「備え」が大切だと考えていますから。
何もなくて当たり前というのは、医療の世界と似ていて、価値観の親和性が高いですね。
クローズドとされている
ネットワークにも対策を
ーー今後のセキュリティ強化の方向性について教えてください
河内
手始めには、外部ネットワークに接している端末を対象に考えましたが、今後は、さらにクローズドとされているネットワークでも対策をしていきたい考えです。
実際に被害に遭われているところもあるわけですから、サイバー攻撃は、どんな針の穴、ちょっとした隙を突いてくるかわかりません。今は電子カルテやレセプトコンピュータのセキュリティレベルがどれくらいなのかを、少しずつ把握していっている段階です。
ーーメーカー側が採用しているセキュリティがどのようなものかは、なかなか見えてこない部分がありますね。
河内
それもセキュリティの一環なのかもしれませんが、表には出しにくい状況にあるのだと思います。メーカー任せではなく、こちら側もガードしていかなければならないのですが、どこに着目して進めるか、もう少しメーカーさんからの情報もお聞きして、話し合いの上で考えていけたらと思っています。
ーー今後の医療分野におけるサイバーセキュリティに対するお考えも少しお聞かせください。
河内
まだ、日本の医療分野におけるサイバーセキュリティは黎明期だと思っています。
日本は個人開業医の割合が高く、その一つひとつのクリニックが本来はセキュリティ対策をしていかなければなりませんが、なかなか人員も割けない状況だと容易に想像できます。今、顕在化している医療機関でのサイバー攻撃の被害というのは本当に氷山の一角でしょうから、国のレベルでも、実際の情報を集めてどうシャットアウトしていくかを考えていくべきだと思います。
ーー本日は貴重なお時間をありがとうございました。
インタビューにご協力いただいた:
理事長 院長 河内文雄様

<今回のご協力企業>
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医療法人社団 以仁会 稲毛サティクリニック様
千葉市稲毛区に2015年開業。駅前の商業施設内にある都市型のクリニック。これまでに14万人以上の診療歴がある。アートギャラリーにもなっている待合スペースには、定期的に展示替えも行われるアート作品が並び、クリニックの患者さん以外も訪れる人が多い。
